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HIPHOPダンスのスタイル別解説!ブレイク、ポッピン、ロックの違いとは|NOA DANCE ACADEMY

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はじめに


HIPHOPダンスには、さまざまなスタイルがあります。各スタイルは、独自の動きと表現方法を持ち、それぞれに特有の魅力があります。
そこで今回は、HIPHOPダンスの代表的な3つのスタイル「ブレイクダンス(B-boying)」「ポッピング」「ロック」の違いについて詳しく解説していきます。
この記事を通して、それぞれのスタイルを理解し、HIPHOPダンスの深さと多様性をより楽しんでいきましょう。


1. ブレイクダンス(B-boying)



・歴史と起源


ブレイクダンスは、1970年代のヒップホップカルチャー黎明期にニューヨーク・ブロンクス地区に住んでいたアフリカ系およびラテン系米国人によって生み出されたとされています。この地区を中心にパーティを開催していたDJ Kool Herc(クール・ハーク)は、自分がプレイしている楽曲がブレイク(ヴォーカルを含むメロディパートが抜けてリズムパートだけになる間奏部分)に差し掛かるとダンスフロアの一部の若者たちが、いつもよりもダイナミックなダンスを踊ることに気が付いたそうです。そして、メリーゴーランドと呼ばれるテクニックで同じレコード2枚を同時にプレイしてブレイクを延ばし、ダンサーたちが踊れる時間を長くしたといいます。このようにして、ブレイクに合わせて踊るダンススタイル「ブレイクダンス」が誕生しました。


・特徴的な動き


ブレイクダンスは、「フットワーク」「パワームーブ」といった、アクロバティックで地面を使ったダイナミックな動きが特徴的です。
「フットワーク」は、しゃがんだ状態で床に手をついて素早く足を動かしたり、ステップを魅せたりするダンスのことで、ブレイクダンス特有の動きです。
「パワームーブ」とは、頭や背中など、身体のいろいろな部分を使ったアクロバティックな動きのことで、代表的なものとして、頭で回転するヘッドスピン、背中や肩で回るウィンドミルなどがあります。


・バトルでの特徴


ブレイクダンスのバトルの場には、音楽を流すDJと司会進行の役割を担うMCがいることが特徴です。DJが流す音楽にのせて即興で踊り合い、技術面だけでなく表現力や精神力・コミュニケーション力や創造力などで勝敗を決めます。


2. ポッピング



・歴史と起源


ポッピングの起源は諸説ありますが、そのうちの1つに1960〜1970年代頃、エレクトリック・ブーガルーズ(Electric Boogaloos)というグループのリーダーであるブガルー・サム(Boogaloo Sam)と、ポッピン・ピート (Popin' Pete) の兄弟が考案したとされる説があります。ブガルー・サムはマイケル・ジャクソンの師匠であり、ポップダンスの代表的な衣装であるズートスーツのパイオニアです。そんな彼らのグループ、エレクトリック・ブーガルーズが出演したアメリカのテレビ番組「ソウルトレイン(SOUL TRAIN)」や1984年公開の映画「ブレイクダンス(BREAK DANCE)」「ビートストリート(BEAT STREET)」をきっかけに、世界へ広まっていったとされています。



・特徴的な動き


ポッピングは、リズムに合わせて筋肉を弾ませるようにし、身体の一部分(腕、胸、首、胃、足など)を強調する「ヒット」という動きが特徴的です。力を入れて、力を抜く、この動作を繰り返し行うことで、動きにメリハリが付きます。



・スタイルのバリエーション


ポッピングには、「ブガルー」「アニメーション」など、様々なスタイルあります。
 「ブガルースタイル」は、体のパーツごとにロールしたり、筋肉を弾いたりしながら、音楽のメロディや歌詞に合わせて即興的に踊るスタイルです。ポップダンスの元祖であり、最近では「ブーグスタイル」とも呼ばれます。
 「アニメーションスタイル」は、アニメ映像のように、一コマ一コマを切り取ったように見せるスタイルです。スローモーションやバイブレーション、ウェーブなどの技を駆使し、人間離れした不思議な印象を与えるため、「ロボットダンス」とも表現されます。


3. ロック



・歴史と起源



ロックダンスは、1969年に、アメリカ人のドン・キャンベル(Don Campbell)によって生み出されたスタイルです。当時のアメリカでは、鶏が陽気に踊っているような「ファンキーチキン」と呼ばれるダンスが流行していました。ファンキーチキンを滑らかに踊れずにいたドン・キャンベルが、動作ごとに止めながら練習していたところ、周りのダンサーが面白がって真似し始めたことが、誕生のきっかけと言われています。ドン・キャンベルのロックダンスは「キャンベルロック」と名付けられ、現行のロックダンスの原型となっています。
1971年、ドン・キャンベルは「The Lockers」と呼ばれるダンスグループを結成し、トニー・バジル(Toni Basil)という有名な振付師によってテレビ番組で紹介されたことで、世界的に名が知れ渡りました。その後、アメリカの人気TVダンス番組「サタデーナイトクラブ」や「ソウルトレイン」に出演を果たし、ロックダンスの認知度が押し上がったのです。


・特徴的な動き


ロックダンスの特徴は、動きのメリハリにあります。激しい動きから突然静止する動きが特徴で、「鍵をかける様子」に近いことから、ロックという名がつきました。また、ヒップホップダンスは、常にダウンリズムに乗り続けているのが基本ですが、ロックダンスはアップリズムを取りつつ、止まる時はピタッと静止するというのも特徴の1つです。


・ユニークなスタイル


ロックダンスの「激しい動きから突然静止する動き」は、他のダンススタイルにはない、ユニークなスタイルです。また、ロックダンスは個性を重視するダンスでもあります。各ダンサーは、基本的な動きを習得した後、自分なりのスタイルやフレーバーを加えていきます。これにより、ひとつとして同じではないパフォーマンスが生まれ、ユニークさを生み出すことができるのです。


4. これらのスタイルの違いとは?


・動きの特徴


「ブレイクダンス」は、アクロバティックで地面を使ったダイナミックな動きが特徴です。一方「ポッピング」は、リズムに合わせて筋肉を弾ませ、体の部位を強調する動きが特徴とされています。また「ロック」は、速い動きと急激なロック(止め)を交互に行うユニークな動きが特徴です。
このように、これまでご紹介してきた3つのダンススタイルには、それぞれ異なる動きの特徴があります。


・リズムの使い方


「ブレイクダンス」は、アップを基本としたフロアムーブメントを中心にリズムを取ります。一方「ポッピング」は、音楽のビートやフレーズに合わせたポップ動作でリズムを取るのが基本です。また「ロック」は、ファンクビートに合わせて急激な動きの切り替えを行いながらリズムを取ることを重視しています。
このように、リズムの取り方もダンスのスタイルによって様々ですが、音楽とダンスの融合を大切にしている点はどのスタイルにも共通しています。


5. まとめ


HIPHOPダンスの各スタイル「ブレイクダンス」「ポッピング」「ロック」は、それぞれ異なる特徴を持ちながらも、共通して音楽とダンスの融合を大切にしています。みなさんも各スタイルの違いを理解し、実践して、ダンスの幅を広げ、自分に合ったスタイルを見つけることでダンスの楽しみ方を広げ、HIPHOPの深い魅力を実感してみましょう。

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